データ活用例-流通版-地域密着型店舗の面的展開と販売促進戦略「需要構造の把握」

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流通版 第3回「地域密着型店舗の面的展開と販売促進戦略」
3−2.需要構造の把握

 地域密着戦略を進めるためには、その地域がどういう特性を持っているのか、できるだけ詳細に知る必要があります。それでなければ、商品戦略、サービス戦略、販促戦略といった基本戦略を企画できません。そのため、店舗から自動車で10分の到達圏域における年齢層、世帯構成、所得水準などを詳細に分析してみます。


【南千住検討店から自動車10分圏域内における需要構造】

→需要構造を分析するための基礎情報となる国勢調査の詳しい情報はこちら
→購買ポテンシャルを把握するための年収別世帯数データに関する詳しい情報はこちら



【自動車10分圏域内における年齢別男女別人口構成】

※ 青い折れ線は圏域内の人口全体に対する男性の各年齢別人口比率、赤い折れ線は同様に女性の各年齢別人口比率、茶の折れ線は東京都の各年齢別人口比率。

→男女別年齢別人口を分析するための国勢調査に関する詳しい情報はこちら

東京都に比べると、男女とも若年層が少なく40歳以上の中高年割合が高い地域といえます。男性は特に強くその傾向が出ています。


【自動車10分圏域内における家族構成別世帯数比率(東京都との比較)】

※ 都道府県とは東京都全域。1次とは自動車10分圏域内

→家族人員別世帯数を分析するための国勢調査に関する詳しい情報はこちら


東京都に比べると、2人世帯と5人以上世帯の比率が若干高くなっています。先ほどの年齢別人口とあわせてみると、2人世帯では中高年夫婦が、5人以上世帯では65歳以上の高齢者と同居するファミリー世帯が多いと仮定できるかもしれません。

実際に、65歳以上の高齢者と同居する世帯(世帯全体のうち29.7%)と高齢者夫婦世帯(世帯全体のうち7.26%)の世帯全体に対する比率は、東京都の比率より高くなっています

(南千住検討店から自動車10分圏域内で65歳以上の高齢者と同居する世帯は、世帯全体のうち29.7%。また、高齢者夫婦世帯は世帯全体のうち7.26%。一方、東京都では、65歳以上の高齢者と同居する世帯は、世帯全体のうち25.2%。また、高齢者夫婦世帯は世帯全体のうち6.79%。65歳以上の高齢者と同居する世帯については東京都比率の1.18倍、高齢者夫婦世帯東京都比率の1.07倍となります)。



【自動車10分圏域内における年収別世帯数比率(東京都との比較)】

※ 都道府県とは東京都全域。1次とは自動車10分圏域内

→購買ポテンシャルを把握するための年収別世帯数データに関する詳しい情報はこちら

東京都に比べると、年収500万円以下の世帯数が多くなっています。これを平均年収ベースでみると、圏域内では5,695,000円、東京都全域では6,615,000円(ただし、年収推計範囲が住宅・土地統計調査の調査対象範囲に限定されるため、郊外部では一部推計を実施していない。そのため、通常の東京都全域の平均値より高めに算出されている)となり、所得水準としてはそれほど高い地域ではありません。

これらを総括すると、高齢者比率が高く、また所得水準は高くありませんから、大型店舗をかまえても地元購買率を高めることは難しいかもしれません。むしろ、小型化で地域からの来店者が入りやすい店舗づくりの方が向いていると思われます。

商品ラインナップは、小型商品や電池・電球などの消耗品、サプライ商品をメインに売場面積500m2前後を想定し、個性的な店舗を目指します。

実際、家電製品の高機能化・多機能化は、高齢者にとって操作困難なことが多く、また「玄関の電球が切れてしまったのだが、どのようなものを購入したらよいか」、「ビデオが壊れてしまったので修理をお願いしたい」、「孫とメール交換をしたいのでパソコンにチャレンジしたいのだが、何から手をつけたらよいのか」といった、昔は商店街などによくあったまちの電器屋さんが面倒を見ていた不便を解消する、地域に密着した店舗作りを進めます。

 
流通版 第3回「地域密着型店舗の面的展開と販売促進戦略」

→地域密着型店舗の面的展開と販売促進戦略「ターゲット(高齢者)分布の把握」

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